2001 年 2001 巻 687 号 p. 273-287
橘湾発電所の工業用水タンク基礎は, 直径が85mと大型であるとともに, 基礎岩盤が比較的急傾斜であることから, 同一基礎内において岩盤までの深さが大きく異なっている. この様に特殊な地盤においては, 従来用いられている杭の打止め管理式では支持力評価の誤差が大きくなると考えられる. そこで, 施工にあたっては, 一般的に用いられている「動的載荷試験」とともに「急速載荷試験」を行い, 精度の高い打止め管理式を設定し, 鉛直支持力の確認を行った. また, 水平方向については地盤反力係数が載荷速度に依存性があることを考慮し,「ダイナミックジャッキによる静的・動的載荷試験」を行って地震時におけるタンク本体の固有周期付近の値を求め, 地震時の水平地盤反力係数の評価を行った.