抄録
本研究では, レーダー雨量を用いてDAD (Depth-Area-Duration) 解析を行い, 可能最大降雨 (PMP) を推定する方法を提案する. まず, 那珂川流域を覆う2つのレーダー雨量計で得られた雨量データを, 45個の地上雨量計を用いて補正する. レーダー雨量計により, 地上雨量計が捕らえられなかった局所的豪雨を検知し得ることが示された. 空間的に分布した雨量データを用いてDA関係を求める新しい方法として, 面積固定法と雨量固定法を考え, 両者によって得られるDAD式の違いを検討している. DAD式 (最適な包絡線) を客観的に求める非線形最適化アルゴリズムを開発し, 日本全国及び那珂川流域の最大豪雨記録に適用した.