2002 年 2002 巻 695 号 p. 115-124
本稿では1920年代に活躍したベントン・マッカイがアメリカの地域計画に及ぼした影響や功績を紹介する. マッカイは自然保護主義者, 森林学者, 地域計画者として幅広く活躍し, ルイス・マンフォードらと共にアメリカ地域計画協会 (RPAA) を設立した. マッカイとマンフォード, クレアレンス・スタインらとの書簡等を中心として, マッカイが地域計画に打ち出した彼の地域思想の本質を明らかにすると共に, RPAAに貢献したマッカイの業績や背景を解析する. 結論として, マッカイの地域思想は今日の地球規模的なサスティナビリティの源流とも捉えられる. 21世紀が始まろうとしている今日こそ, マッカイの地域思想がより求められていることは明白であろう.