2002 年 2002 巻 696 号 p. 11-20
本研究は, 上部構造と杭と地盤の非線形動的相互作用を扱ったものである. 地震時, 上部構造-杭基礎-地盤系の連成解析から, 各部分の特性が他の応答へ及ぼす効果に注目して応答性状を調べた. その結果, 杭が非線形挙動を示す場合, 杭が上部構造のいろいろな特性の影響を受け, 特に, 杭が非線形挙動を示す可能性の高い強い2次固有モードとなる構造物と, デッキが偏心を持っている構造物でその傾向が強いこと, 逆に杭から橋脚への影響は少ないことが分かった. 橋脚の降伏係数 (自重に対する降伏力) が高い場合, 杭が非線形挙動を示す可能性が大きくなる. 地盤変形による杭体曲げモーメントは, 固い地盤の上に浅く柔らかい地盤がある時の地盤物性値が急変する所でピークになる.