土木学会論文集
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非線形はりモデルを用いた鋼製橋脚の耐震解析における幾何学的非線形性とせん断変形の影響
後藤 芳顯奥村 徹鈴木 昌哉
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2002 年 2002 巻 696 号 p. 157-172

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抄録

現行の耐震設計において単柱式鋼製橋脚の終局挙動を解析する際には, せん断変形を無視した Bemoulli-Euler はり理論による幾何学的非線形解析が一般的に行われている. ここでは, Bernoulli-Euler はり理論による解析の妥当性, 精度の検討をせん断変形の影響を考慮した Timoshenko はり理論による幾何学的非線形解析と比較することによって行った. Bernoulli-Euler はり理論による解析の精度を支配する2つの構造パラメータを同定し, これらのパラメータにより相対差を評価するための算定式を誘導した. これより, 鋼製橋脚の耐震解析においては, せん断変形の影響が大きく, 背の低い橋脚の耐震設計を行う際にはこの影響を無視できないことがわかった. 一方, 幾何学的非線形性の影響は, 極端に細長比が大きい場合や鉛直荷重が大きい特別の場合を除き, 一般的に無視できる.

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