抄録
本研究では, 自由水面の変動を伴う流れの数値解析手法について考察した. 非定常的に変形する自由水面形状を移動一般座標系を用いて表現し, ALE法により流体内部の格子点位置が定められる. Navier-Stokes 式は, 直交座標系の流速成分を基本変数として写像空間中に変換され, 変数は collocated 格子配置に従うものとして離散化される. 流速と圧力の同時緩和法として, 一般座標系上の collocated 格子配置で有効なC-HSMAC法を提案した. 矩形容器内の微小静振波に本手法を適用し, 重力および表面張力を復元力とする微小水面振動が適切に解析できることを示した. また, 水表面に圧力パルスが作用したときの非線形水面振動を解析し, 妥当な解析結果が得られること, さらに水面変動を伴う場合でも流体質量が十分な精度で保存されることを示した.
