2002 年 2002 巻 700 号 p. 133-143
山岳トンネルにおいて, ずり出し時の環境改善は大きな課題の一つである. 筆者はこのずり出し方式において, ダンプを用いないベルトコンベヤ方式によるずり出しシステムを開発したものである. 狭隆なトンネル空間へのシステム導入に当たっては, ベルトコンベヤの振動が覆工コンクリートに与える影響や掘削と併行して作業する覆工コンクリートやインバートへの作業性が懸念された. 本論文は, ベルトコンベヤの振動が覆工コンクリートに与える影響を調べるため振動を測定し, 振動対策として施工性を考慮したベルトコンベヤの位置と支持方法を提案したものである. さらに, これらの振動による覆工コンクリートへの影響を検討したものである.