2002 年 2002 巻 700 号 p. 65-79
鋼橋で最も広く用いられている桁形式はI桁と箱桁である. これらの荷重分配横桁フランジと主桁ウエブの接合は, 作用する応力の大きさに関わらず完全溶込み溶接で行われている. しかし, この部位に作用する応力の大きさは様々であり, 必ずしも完全溶込み溶接が必要でない場合も多いと考えられる. 本論では, 作業環境の改善および製作コストの削減を図ることを目的とし, 横桁フランジと主桁ウエブの接合に, 部分溶込み溶接を適用することを考え, 以下の検討を行った. まず, 設計計算書の格子解析から求まる, 横桁取合部に作用する応力の現状調査を行った. そして, この継手の溶接施工試験を行い, 引張強度を調べた. さらに, 疲労への影響について検討し, 部分溶込み溶接の適用の可否についての考察を行った.