抄録
破砕したカキ殻と浚渫粘土の混合土を地盤材料として活用するため, カキ殻混合土の非排水せん断強度・変形特性が純粋な粘土のそれとどのように異なるかを三軸試験から検討した. その結果, カキ殻の混合は浚渫粘土の強度・変形特性を改善することがわかった. そのせん断強度の増加は, カキの混合率 (0-80%) にほぼ比例し, 圧密応力 (49-98kPa) によらなかった, また, 応力-ひずみ関係と間隙水圧発生特性から, カキ殻混合土中のカキ殻の構造はその圧密応力, カキ殻混合率, せん断ひずみレベルに応じて複雑に変化することが推察された. また, 均質化法に基づく数値解析から, カキ殻の割線変形係数を評価することによって, カキ殻の混合による変形係数改善効果の評価を試みた.