抄録
本論文は, 免震支承を有する橋梁システムが大規模地震を受け非線形動的挙動状態にある場合の, 支承, 橋脚, 基礎構造の最大応答水平変位に関する制約条件のもとで, 建設費を最小にする各構造要素の最適な断面諸元を論理的に正確に, かつ効率的に決定できる最適設計法を提案している. 各橋脚の免震支承, 橋脚, 基礎構造の非線形動的特性を代表する特性値を設計変数として考慮し, 変位着目点の最大応答水平変位の設計変数に関する推定式を実験計画法により効率的に導入し, これらを用いて定式化した最適設計問題を凸近似双対法を用いて解き, 各設計変数および各構造要素の断面諸元の最適値を決定している. 5径間連続桁橋の最適設計例を示し, 本研究で提案した最適設計法の信頼性および効率性を明らかにしている.