抄録
はね返りの少ない繊維補強吹付けコンクリートの合理的配合を求める目的から, プレーンおよび鋼繊維補強吹付けコンクリートの吹付け試験を実施した. 合理的配合の模索過程において, 一般的な配合よりはね返りが10%程度低減できるプレーン吹付けコンクリートの配合を求めた. しかしながら, 同コンクリートによる繊維補強吹付けコンクリートでは, 繊維のはね返り率が40%以上に達し経済性が懸念された. そこで, 従来型とは特性の異なる数種類の吹付けコンクリートについて検討を図った. その結果, 粉体急結剤を改良して吹付け直後のコンクリートに可塑性を持たせる, コンクリートの高粘性化を図る, 吹付け後初期の凝結反応が遅い液体急結剤を使うなどの方法が有効であることが確認された.