本研究は, 斜張橋と吊橋を組み合わせ, それぞれの長所によって短所を互いに補い合う新吊形式橋梁として注目されている斜張吊橋を対象に, 超長大橋への適用の実現性を検討したものである. 本論文では, 中央径間長2,500mの超長大斜張吊橋を対象として, 斜張区間と吊区間の区間長比を変えた3タイプの比較検討案について, 設計荷重に対する静的構造特性, 座屈安定性, および, 部材別の所要鋼重などを比較し, 吊橋とも対比させて, 最適な区間長比を探るとともに, 経済的に優位となる可能性を示した. さらに, 固有振動解析, 連成フラッター解析によって, 動的耐風安定性が吊橋に比べ優れていることを確かめ, 提案した構造的対策を施せば, より厳しい設計条件に対しても経済性を大きく損なうことなく十分な安全性を確保できることを明らかにした.
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