土木学会論文集
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動的な限界費用に関する理論的分析
桑原 雅夫
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2002 年 2002 巻 709 号 p. 127-138

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抄録

本論文は, 静的な枠組みで提案されてきた限界費用の考え方を, 動的に拡張させたものである. 渋滞ボトルネック現象は, 時間的に動的な現象であるので, 供給関数を動学化して動的な限界費用について考察した. その結果, ある時刻の動的限界費用はそれ以降の渋滞継続時間に依存することを示した. これは, ある時刻の需要変化がそれ以降の時間帯の交通状況全体に影響を与えるという動的現象を物語るものである. 次に, 既存の研究成果をベースにして, 利用者の出発時刻選択を分析に追加した. この場合の動的限界費用を利用者の希望到着時刻と関連付けて示すとともに, 限界費用課金について考察した.

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