土木学会論文集
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仮想割れ目モデルによる空洞周辺岩盤の透水性変化予測手法
石井 卓郷家 光男桜井 英行里 優木下 直人菅原 健太郎
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2002 年 2002 巻 715 号 p. 237-250

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抄録

本論では, 地下空洞の掘削に伴う透水性の変化を予測・評価することを目的として, 割れ目分布の偏りと透水係数の応力依存性を考慮した解析手法 (仮想割れ目モデル) を提案する. 本手法では, 原位置で得られた透水テンソルをもとに, Bingham 分布を用いて仮想の割れ目群を発生させる. この仮想割れ目群で特徴づけられる岩盤に対して, 空洞を掘削した場合の応力変化を求め, 透水係数がどのように変化するかを予測する. この手法を用い, 神岡鉱山で行われた「スーパーカミオカンデ」掘削時の透水係数の変化率を予測した. 原位置で行われた計測と予測結果は, いずれも空洞周囲での透水係数の増加を示し, 相互に整合的なものであった.

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