抄録
高減衰積層ゴム支承の解析は, 幾何学非線形とともに複雑な材料非線形を考慮しなければならず, 困難なものとなる. そのためこれまで精緻なモデルは構築されていない. 本研究では材料レベルからの高減衰積層ゴム支承のモデルの構築を目的とした, 1) まず, 著者らが提案した構成則を有限要素法に組み込むための定式化を示し, 2) 増分型の構成則によりモデル化される圧縮性材料のための混合型有限要素法を構築した. 3) 次いで支承の3次元有限要素モデルを構築し, 載荷実験結果と比較してモデルを検証した. 4) 最後に, 本モデルを応用して支承のねじれ, 回転変形における力学特性を把握した. また, それらの変形および鉛直変形について, 支承の設計に利用できる理論的な簡易式を提案した.