2003 年 2003 巻 732 号 p. 211-223
マスコンクリートの温度応力 (ひび割れ) 予測の高精度化には, 若材齢期におけるコンクリートの力学特性の把握が必要とされる. そこで本研究では, コンクリートのひび割れ発生の応力場となるべく両引き試験を行い, 若材齢期を中心に時系列な付着特性について検討を試みた. また, 一部の供試体については再載荷試験を実施し, 若材齢期に応力履歴を受けた場合における付着特性の変化についての検討を行った. その結果, 材齢1日では付着効果がほとんど見込めないこと, および材齢1~7日にかけて付着特性が大きく変化することが確認された. さらにその破壊機構に関して, 既往の研究にて報告された鉄筋ふしを起点とする斜めひび割れは認められず, 鉄筋ふしによるせん断破壊の影響が大きくなる可能性が伺えた.