抄録
本研究では, MMA系ポリマーコンクリートの硬化時の物性を把握する手法として, 拘束度の影響を受けない非破壊評価手法に着目して, 物性変化を連続的に評価することの可能性について検討を加えた. 非破壊評価手法としてはAE法および超音波法を選定し, 硬化時の収縮特性が異なる2種類の配合を対象として実験を行った. その結果, 超音波がフレッシュな状態から完全な硬化体に至るまで, 連続的にMMA系ポリマーコンクリート中を伝播することが確認できた. また, MMA系ポリマーコンクリート中の超音波伝播特性はMMA系樹脂の硬化反応に伴う物性の変化をほぼ正確に捉えており, 物性変化を確実に評価する手法として有効であることが明らかとなった.