圧縮強度130MPaまでの高強度コンクリートを用いた腹鉄筋のないRCはりのせん断実験を行った. 斜め引張破壊する高強度RCはりでは, コンクリート圧縮強度の増加に対し, そのせん断強度が一定値に収束すること, および寸法効果の影響が普通強度RCはりよりも大きくなること, などが確認され, 既往のせん断強度式は高強度RCはりのせん断強度を過大評価した. 一方, せん断圧縮破壊する高強度RCはりでは, 既往のせん断強度式により, 各変動因子のせん断強度に与える影響を偏りなく評価できることを示した. 本研究では, 既往の高強度RCはりのせん断実験結果も収集し, 斜め引張破壊およびせん断圧縮破壊する高強度RCはりのせん断強度式の提示, さらには, 両算定式の精度を考慮し, 高強度RCはりの設計せん断強度の評価に用いる部材係数も提案する.
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