2003 年 2003 巻 743 号 p. 213-222
山岳トンネルの切羽安定性を向上させるとともに, 切羽前方地山に改良ゾーン (コア) を形成して, トンネル掘削の影響を極力抑える長尺鏡補強工法が開発され, トンネル現場に適用されている. 不良地山に大断面トンネルを施工するプロジェクトに長尺鏡補強工法を本格的に適用した事例を対象として, 計測結果に基づいて長尺鏡補強工の作用効果を評価し, 3次元数値解析で検証した. その結果, 長尺鏡補強工は切羽前方地山の押し出しを抑える作用効果があり, 先行ゆるみ発生の防止に顕著な効果があることを明らかにした.