軟弱地盤上の道路盛土の設計は現在, 仕様規定に基づいて行われているが, 近い将来, 性能設計への移行が予定されている. 性能設計では従来のような細かい仕様は規定されないため, 設計・施工者の裁量が広がる. 一方, 提示された要求水準を満足することを, 設計段階で保証しなければならない. このためには, 軟弱地盤上の道路盛土供用後の長期的挙動を精度よく予測することが必要となる. 本論文では, ある実道路盛土を対象として弾塑性有効応力FEM解析を実施し, 供用後の長期変形挙動に関する解析値と実測値との整合性の検証を試みた. その後, 幾つかの軟弱地盤対策工法を想定した試解析を実施して, 道路盛土の各種要求性能を満足し, かつライフサイクルコストを最小とする最適な軟弱地盤対策工法の抽出を試みた.
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