抄録
鉄道では線路または主要道路と交差する箇所に鋼製ヒンジラーメン橋脚 (門型ラーメン構造で脚部において回転拘束のない構造) を有する橋梁が多数採用されている. 兵庫県南部地震ではこのタイプの橋梁に被害が生じ, 被害程度によっては社会的影響も大きく, 耐震性能を明確にすることが求められている. 本研究では東海道新幹線で35年供用された後, 撤去された実物橋脚試験体を用いて水平交番載荷実験を行い, その弾塑性挙動を明らかにした. このとき, 経年に伴う損傷が耐震性能へ影響を及ぼすことが考えられ, 実験に先立ち目視による腐食や亀裂, 溶接状態の調査および応力測定による疲労損傷の検討を行った. また, 水平交番載荷実験で破損したことから橋脚全体の挙動に影響を及ぼすと考えられた脚部下端ヒンジ支承についても, 回転特性を実験により調査し, 耐震性能への影響を明確にした.