2004 年 2004 巻 753 号 p. 81-93
路面性状評価において, 路面プロファイルデータ処理は重要なプロセスであるが, 近年, データを小波状の基底関数の操作により複数の周波数帯域に分割・ダウンサンプリングする離散ウェーブレット変換が注目されるようになった. しかし, この方法は基底関数の種類により出力結果が異なるため, 入力データに適した基底関数の選定が課題である. 本研究は, PLARC EVEN試験結果の一部を用いて, 代表的な基底関数の出力特性をデジタルフィルタ演算 (DF演算) 結果との振幅比によって比較し, 路面プロファイルデータ処理に適した基底関数の選定方法について考察した. その結果, 位相の線形性が考慮された基底関数は, 離散データの近似及び帯域分解後の出力特性が安定しており, DF演算と同程度の結果が期待できることがわかった.