抄録
岩盤は節理や層理などの不連続面が存在し, 岩盤斜面の崩壊はこの不連続面による岩盤すべりの形態を取ることが多い. このため, 岩盤斜面の安定評価において不連続面の幾何学情報は重要となる. 筆者らは, これまでにGPS変位計測システムを開発しており, このシステムによって, 比較的容易に, しかも精度良く3次元変位を連続的に計測することが可能である. 本研究では, 3次元変位計測結果から求められる変位方向と, 不連続面の幾何学情報 (傾斜および傾斜方位) とを利用した安定評価法を提案する. さらに, この方法の妥当性を実験に基づくシミュレーションにより検証した.