抄録
東京首都圏のように高密度な鉄道ネットワークを有している地域における鉄道経路選択行動分析では, 非IIA型の経路選択モデルが適している. そのため, 選択肢間の重複を考慮したモデルが, 今までにも幾つか提案されている. しかしながら, それらのモデルの特性は未だ明らかとなっておらず, 如何なるケースでどのモデルを適用すべきかといった適用条件の考察は不十分である. 本論文は, 既存の非IIA型経路選択モデルである構造化プロビットモデル, Mixed Logit モデル, C-Logit モデルの特性を明らかにすることを目的とし, それらを比較することを試みるものである. また, その比較を通して得られる各モデルの特性に基づき, 高密度な鉄道ネットワークへの実適用に向けて, C*-Logit モデルを提案する.