抄録
都市部における離隔距離1m程度の近接トンネルでは, ほとんどの場合めがねトンネルが適用されている. しかし, その設計手法は確立されていないのが現状である. めがねトンネルはその形状から中央部に応力集中が生じる問題を有している. 重要な支持構造物であるセンターピラーには, 掘削に伴う応力再配分により大きな荷重が作用すると考えられるが, その荷重の設定法はまだ確立されていない. そのため, センターピラーの補強設計において内部発生応力が注目されることはほとんどなかった.
本研究では, 現場計測結果とFEM解析により, 過去に提案されたセンターピラーに作用する荷重の設定法を見直し, センターピラーの補強設計法を提案する.