本研究では, インフラストラクチャ会計 (以下, インフラ会計と略す) の目的とその基本的な考え方について考察する. インフラ会計はアカウンタビリティの確保, 資源の効率的配分, アセットマネジメント, 経済統計整備のために重要な役割を果たす. 本研究ではインフラの資産評価の方法と会計方式, インフラ会計の構築方法について考察する. さらに, インフラ会計の適用事例として納税者会計, インフラ生産性の計測, アセットマネジメントをとりあげる. インフラ会計の構築においては, 学際的な研究分野における研究成果を積極的に取り入れるとともに, 具体的な方法論の提案と実践によるフィードバックが不可欠である. インフラ会計の構築においては, 今後に残されたテーマも多く, 本研究では最後に今後の研究課題をとりまとめる.
抄録全体を表示