抄録
沖縄のいわゆる“サンゴ礫混じり土”は, その多様性のため強度評価上の区分が難しく, より合理的な区分方法の確立が長年の課題であった. この課題を解決するため, 土の排水特性に着目して検討を行った. 本土の一般の土では, 細粒分の50%が粘性士と中間土との境界となっているが, 沖縄のサンゴ礫混じり土ではそのような境界が適切と考えられない場合が多い. そこで, 本論文では, 中城湾港, 那覇港, 平良港, 石垣港のサンゴ礫混じり土について調べた結果, 細粒分が, それぞれ70, 80, 75, 80%以上で, かつ塑性指数が, それぞれ35, 20, 20, 20以上の場合に粘性土に区分できることが明らかになった. これらの結果ならびに既往の研究成果をもとに, サンゴ礫混じり土を強度評価上の観点から, 砂質土, 中間土, 粘性土に区分する方法を提示した.