抄録
本研究では, 各種統合型ネットワーク均衡モデルに含まれる手段選択モデルなどの構成モデルや, ネットワーク特性を特定化するリンクパフォーマンス関数の未知パラメータを断面交通量の観測値を用いて逆推計する手法を提案し, それを[MSUE/ATIS] モデルやBPR関数の未知パラメータ推定に適用した. この逆推計問題は各種ネットワーク均衡下での推計リンク交通量と観測リンク交通量との残差平方和最小化という2段階最適化問題として定式化され, その解法として適切に改良された非線形感度分析を適用した. モデルネットワークでの数値シミュレーションによって, 本手法の定式化とその解法の適用可能性が検証され, 実用に供するための課題が検討された.