今後の急速な人口減少化により, わが国の地域間人口分布は劇的に変化する可能性を有している. 一方, 政治システムに関しては地方分権化が推し進められていく見通しである. 本研究では,「人口減少化によって一部地域の将来人口が零になる状況でも地方分権システムが効率的な資源配分を導くかどうか?」,「導かない場合に国土計画が果たすべき役割とは?」という2つの疑問に回答することを目的とした理論分析を行い, 人口減少化時代における国土計画の役割について考察することを目的とする. 分析結果から, 一部地域の将来人口が零になる場合には地方分権システムのもとで効率的な資源配分が達成されず, 中央政府による補助金政策が求められることが明らかにされる.