土木学会論文集
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急曲線における内軌レールの波状摩耗発生メカニズムに関する研究
松浦 章夫内田 忠之福田 拓也
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2004 年 2004 巻 773 号 p. 125-135

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抄録

レールの頭部に生じる波状摩耗は車両走行に伴って振動や騒音を引き起こすと言われ, その発生メカニズムの解明はこの分野の重要な研究課題とされている. 本研究では, 急曲線を走行する鉄道車両を対象として, 車輪と曲線内軌側のレール間に現れる動的現象を, 複雑な車両モデルによるシミュレーション法と簡便な車輪モデルによる解析法とを用いて調べた. その結果, 先頭車輪に生じるアタック角とレール頭頂面の微小な凹凸が原因となって, 車輪とレール間に粘着・すべりの周期的繰り返し運動が生じ, レールの小返り振動が増大する一方, 特定な波長を持った波状摩耗がレール頭頂面に成長することが明らかになった. また, 幾つかの代表的パラメータの組み合わせによる波状摩耗の成長条件と成長過程を大域的に示し, レールの波状摩耗発生メカニズムに関するいくつかの基礎的な知見を得た.

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