2004 年 2004 巻 773 号 p. 47-61
1995年兵庫県南部地震では, 桁間の衝突が要因と考えられる被害により, 緊急時に車両の通行が著しく困難であったことが報告されている. 本研究では, 橋梁の精緻な3次元動的解析モデルを構築し, 桁間連結装置ならびに車両の通行性について解析的に検討することを目的とする. まず, 地震時における橋梁の動的挙動を精緻に再現する3次元モデルを構築する. 次いで3径間の高架橋を例として取り挙げ, 衝突現象が橋梁の挙動に及ぼす影響, ならびに変位制限装置と衝撃緩衝装置を併用した桁間連結装置の有効性について定量的に検討する. 最後に桁間の段差および遊間に対する通行可能速度を用いて車両の通行可能性を規定し, 地震応答解析結果に適用して震災後の車両の通行性について検討する.