抄録
油汚染土壌の浄化対策技術として, アルカリによる界面活性効果と微細気泡によって土粒子から油のみを剥離・浮上させて油を分離する方法を検討した. 最適濃度のアルカリ共存下において, 過酸化水素の自己分解により発生する粒径60μm以下の微細気泡を油汚染土壌に作用させることにより, C重油のような分解困難な油による汚染細砂から90%以上の油を除去できることを明らかにした. この方法に基づいて, 油汚染土壌を連続処理できる装置を開発して実汚染サイトに適用し, 高い浄化効果と廃棄物発生量の低減効果を確認した. また, 本方法により生物処理法では分解され難いレジンやアスファルテンが除去された浄化土に対して, 生物処理法を適用することにより, 極めて低濃度まで浄化できることが判った.