2007 年 63 巻 3 号 p. 411-422
構造物の弾塑性衝撃応答を正確に予測することは,現時点においても容易ではなく,要求性能に対する照査に適用しうる簡易でかつ高精度な衝撃応答解析手法について模索している段階にあると言える.そこで,本研究では,損傷力学理論に着目し,その理論を連続体力学の枠内で展開することによって,鋼部材及びRC部材の衝撃応答解析手法を確立することを目指した.さらに,既設構造物の耐衝撃性を評価するために,塑性変形履歴を有する構造材料の残存剛性を損傷モデルで簡易に表現した解析を試み,繰り返し衝突を受ける構造物の残存耐力評価の可能性について考察した.