抄録
本研究では,300日間にわたる長期間の酸性雨噴霧複合サイクル環境促進実験を行い,国内で一般的に用いられている鋼橋塗装系であるA, C, I塗装系の防食性能を検討した.また,同様の供試体を用いて行われた,塩水噴霧複合サイクル環境促進実験結果と比較することによって,酸性雨噴霧複合サイクルと塩水噴霧複合サイクルとの劣化特性の違いを検討し,鋼橋塗装の耐久性について明らかにした.その結果,本研究の実験では,塗装の塗り替え周期に大きく影響するふくれ面積において,A塗装系で酸性雨の影響が大きく,劣化が大きいことが分かった.