抄録
〔目的〕運動不全脊髄損傷者において,受傷年齢が屋内・屋外歩行およびADLの獲得に与える影響を明らかにすること.〔対象〕2001年3月~2012年12月までに茨城県立医療大学付属病院に入院した受傷後3カ月以内の運動不全脊髄損傷者87名とした.〔方法〕対象者を年齢別に3群に分類し,退院時の歩行獲得状況,入院時・退院時のFIMの運動合計および認知合計点数を比較した.〔結果〕退院時のFIM運動,FIM認知は共に年齢による主効果が認められた.年代群別歩行獲得状況は,自立歩行獲得については有意差が認められなかったが,屋外歩行獲得については有意差が認められた.〔結語〕受傷年齢は運動不全脊髄損傷者のADL獲得や歩行範囲に影響を及ぼす要因であるといえる.