土木学会論文集A
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和文論文
アルカリ骨材反応によるコンクリートのひび割れ発生モデルの構築と解析手法の提案
岡 孝二吉田 秀典松島 学横田 優
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2007 年 63 巻 4 号 p. 744-757

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抄録

 アルカリ骨材反応によるコンクリート構造物の劣化が注目されている.コンクリートにひび割れが発生し,コンクリート中の鉄筋が破断する事例もあり,その劣化予測手法の構築は急務である.本研究は,アルカリ骨材反応によるコンクリート構造物のひび割れ性状を有限要素解析を用いてシミュレートする解析モデルを構築した.提案する解析モデルを用いて数値解析を行い,アルカリ骨材反応によって損傷した橋台のひび割れ性状とひび割れ幅について数値解析と現場計測との比較検討を行った.ひび割れ性状,ひび割れ幅,開口エネルギー量を考察した結果,提案モデルを用いることでほぼ現実に近い挙動の再現が可能であることが判明した.一連の考察から,アルカリ骨材反応によるコンクリート構造物の劣化の予測に関して,本解析モデルは有用であると考えられる.

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© 2007 社団法人 土木学会
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