抄録
原子力施設における地震PSA手法開発の一環として,取水ピット等の地中土木構造物を対象に,詳細法に基づく実用的な損傷確率の評価手法を提案した.本手法では,構造物の耐力を限界層間変形角で規定し,応答として最大層間変形角の代表値を非線形FEM解析で詳細に評価し,ばらつきの指標は,自由地盤と構造物の層間変形角の関係を半経験的に表したせん断ひずみ伝達率を用いて簡易に評価することで,ばらつき評価に要する計算量を大幅に削減した.この手法により,表層地盤に埋設された取水ピットの損傷確率を評価した結果,解放基盤表面の入力地震動900Galに対し約0.13となった.また,せん断ひずみ伝達率による層間変形角の算定結果とFEM解析結果の誤差を比較し,実用上十分な精度(誤差10%以下)で層間変形角を推定できることを確認した.