2008 年 64 巻 4 号 p. 678-691
本研究では,レベル1相当の中小規模地震時において,橋梁の地震応答に与える車両の存在効果の検討および地震時における車両の滑り評価を目的とする.そのため,水平運動まで考慮する12自由度振動系車両モデルの定式化を行い,車両と高架橋の連成振動を考慮する三次元動的地震応答解析手法を構築する.橋梁の地震応答解析結果より,車両振動系が地震波の周波数特性によって橋梁応答を増幅あるいは低減させることが分かる.地震時の大型車両の滑り評価より,前軸が後軸より滑り易くなることと,車両が路盤上を走行することに比べて橋梁上を走行する方が滑り易い状況にあることを示す.