2008 年 64 巻 4 号 p. 905-914
著者らは,既設開削トンネル外側の側面に免震層(変位吸収層)を配置して地震外力の低減を図る工法が開発してきた.免震層の材料としては,ポリビニルアルコール系ポリマー材(以下,ポリマー材)という柔軟な材料を用いることで,実用性を高めた工法(以下,ポリマー免震工法)としている.
本論文は,ポリマー免震工法を適用した時に,上載土が開削トンネルに与える影響や,免震効果に与える要因について解析的に検討した.その結果,土被り厚,および地盤と構造物の剛性比が免震効果に及ぼす影響が大きいことが明らかとなった.また,得られたポリマー免震工法の特性に基づき,当該工法を効果的に適用するための判定指標を提案した.