2009 年 65 巻 2 号 p. 310-320
既設構造物の杭基礎に対して,兵庫県南部地震と同程度のL2地震動を考慮した耐震基準を満たす補強技術および工法が種々提案されてきている.しかし,既存の補強技術は,既設構造物の受替え工や掘削工,地盤改良工を必要とするものが多く,工期が長く,高コストな工法となる場合が多い.
本論文では,地上部からの施工が可能で安価となる高架橋の埋戻し土上にコンクリートスラブ(基礎スラブ)を設置する杭基礎の耐震補強工法を提案し,その効果を検証する遠心載荷模型実験を行った.実験結果から,地表面に基礎スラブを設置した場合,埋戻し土の水平抵抗が増加することを確認した.また,基礎スラブを杭により固定した場合,さらに水平抵抗が増加することを確認した.