2009 年 65 巻 2 号 p. 321-334
亀裂の進展経路は材料の不均一性や複数の亀裂の相互作用により様々に変化し,時に経路の安定性が損なわれる.亀裂進展経路の分布性状や安定性の有無を実験的に検証することを目的とし,微視的な不均一性を含む供試体中で初期亀裂として形成した二本の平行亀裂から亀裂を進展させ,亀裂進展過程を超高速ビデオカメラにより可視化する.同時に光弾性実験装置を用いて進展する亀裂先端部近傍の応力場をμs単位で可視化する.準静的載荷下での亀裂の進展解析は準静的に行われることが多いが,その精度を進展中の亀裂先端部近傍の応力場と比較して検討した例は少ない.そこで本研究では,実験により得られた干渉縞パターンと解析により再現された干渉縞パターンを比較することにより,解析の精度を検証する.