2009 年 65 巻 2 号 p. 335-347
既設鋼床版のデッキプレートと閉断面リブの溶接部から生じる疲労損傷は,通行車両への悪影響が直接的に及ぶことが懸念されることから火急な対策が求められている.鋼床版の疲労耐久性向上策を検討するにあたり,既設鋼床版の疲労挙動を明らかにする必要がある.一方で,鋼床版の疲労耐久性向上策としては,鋼床版のデッキプレート上に薄層の鋼繊維補強コンクリートを敷設する工法が提案されている.
そこで本研究は,実物大モデルの鋼床版試験体を用いた輪荷重疲労試験を行い,既設鋼床版の疲労挙動を明らかにするとともに,鋼繊維補強コンクリート敷設工法を適用した補強鋼床版の疲労強度改善効果を検討したものである.