抄録
本研究は,分布型光ファイバセンサの一つであるPPP-BOTDAを用い,そのひずみデータの特長を生かした変位同定アルゴリズムの構築を行い,その有効性を示した.ここでは,取得される分布ひずみデータを逆解析のデータとして用いるだけでなく,ひずみ分布形状不均一度評価を行うことで,構造物の変位境界条件の変化を検知し,同定における最適な構造モデル構築に利用することを提案した.検証では,光ファイバネットワークを埋め込んだCFRP積層板供試体を作製し,その片持ち板曲げ試験におけるたわみ同定を行った.ひずみ分布形状の不均一度評価より固定端条件の変化を適切に検知可能であり,その結果に基づく有限要素モデルのアップデートによって,最適な変位が高い精度で同定可能であることが示された.