2010 年 66 巻 4 号 p. 663-672
本研究は,一般的な平面骨組構造の力学特性である不静定次数と不安定次数の一般論について述べたものである.よく知られているように静定構造はつりあい式のみで支点反力や部材力が求められる構造を意味する.また,そうでないものを不静定構造という.不静定構造の部材力を求めるのに不足する式の数を不静定次数というが,部材数やヒンジが多くなると,不静定次数を求めることが困難になる.特にヒンジが多く含まれるとき,外力がなくても変形しうるような不安定構造になる場合もあることから,問題は繁雑となる.しかし,不静定構造に不静定次数があるように,不安定構造には不安定次数があって,両者を同時に扱うことで見通しのよい計算法が可能となる.ここでは個々の構造ごとに対し定義されるB行列のランクを用いてその詳細を明らかにする.