土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
ISSN-L : 1880-6023
和文報告
橋梁用亜鉛めっき鋼線の腐食粗度計測および人工ピット付き鋼線の疲労強度
岡本 裕中村 俊一鈴村 恵太
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 66 巻 4 号 p. 691-699

詳細
抄録

 腐食した橋梁用亜鉛めっき鋼線の腐食ピットの寸法と分布を計測した結果,腐食が進行するほど腐食ピットは深く,比較的浅いピットは広範囲に分布し,より深いピットは狭い範囲に集中していた.このデータに基づき3種類の人工ピット付きの亜鉛めっき鋼線の疲労試験を実施した.丸形ピット付きの疲労強度が最も高く,三角形ピットは応力集中が高くなり疲労強度は低かった.ノッチ入り三角形ピットの疲労強度が最も低く,その応力集中はノッチに依存するため亜鉛めっき鋼線の疲労強度はピット長さに関わらず一定であった.三角形ピット付き鋼線試験体の疲労強度は,腐食試験体強度と同一傾向を示し,人工ピット付き試験体の疲労試験が妥当であり,疲労強度低下の主要因は腐食による表面凹凸であると言える.

著者関連情報
© 2010 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top