土木学会論文集A
Online ISSN : 1880-6023
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和文論文
変位の絶対値に比例する摩擦力を生成する摺動型減衰装置に関する研究
片山 拓朗山尾 敏孝
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2010 年 66 巻 4 号 p. 783-798

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抄録

 本論文では,構造物のパッシブ振動制御に資する,減衰力としての摩擦力が変位の絶対値に比例して増加する摺動型減衰装置を提案する.提案の装置は凹型・凸型摺動体,U型板ばねおよび支持はりで構成する.凹型・凸型摺動体は,作動方向に僅かに傾いた二組の前方用摺動面とそれらと逆の傾きの一組の後方用摺動面を有し,凹型・凸型摺動体の摺動変位の絶対値に比例して高さが増加する.支持はりとU型板ばねは凹型・凸型摺動体の高さの変化を利用して摺動面に圧縮力を作用させる.提案の装置はこの圧縮力を利用して変位の絶対値に比例して増加する摩擦力を生成する.提案の装置の基本構造と摩擦力を生成する原理が述べられ,装置を装着した一層ラーメンの静的力学特性が理論的に説明される.その静的力学特性は模型を用いた載荷試験の結果と良く対応した.

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© 2010 社団法人 土木学会
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