2010 年 66 巻 4 号 p. 799-815
地震被災事例の分析では,当該地点の地震動を推定することが非常に重要である.そこで,線状構造物を対象に,経験的サイト増幅・位相特性を考慮した地震動の推定手法を提案し,2007年能登半島地震において被災した能登有料道路に適用した.具体的には,常時微動計測結果に基づき能登有料道路を4つのゾーンに分割して各ゾーンの地震動を推定した.さらに,個別地点の常時微動計測結果を利用することで,線状構造物の個々の地点での地震動を推定した.最後に,推定地震動の応用例としてフラジリティカーブの検討例を示した.