抄録
鉄道・道路などで用いられる高架橋の多くは比較的単純な構造形式をもつ.これらの単純な構造形式をもつ高架橋脚を対象として,1)地震外力作用時の塑性化挙動検知のための復元力特性の利用,2)加速度計測データのみから復元力特性を得る手法と,3)無線センサネットワークによる構造物塑性化検知,を提案する.提案手法の特徴は,既設構造物の上端と下端に加速度計を一つずつ設置し,時刻同期を確保した加速度の時系列データのみを用いて復元力特性の代替物を得る点である.この手法では,強い地震外力に対する構造物応答を計測対象としているため,無線センサネットワークで用いられる安価なMEMS加速度計を用いても,構造物の復元力特性を得るために十分な精度の計測データが得られる.