土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
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67 巻 , 1 号
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和文論文
  • 西藤 潤, 小林 俊一
    2011 年 67 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/01/20
    ジャーナル フリー
     混合法に基づく剛塑性有限要素法を定式化する際に,要素内一定の応力場を仮定した離散化を用いれば,アワグラスモードあるいはロッキングの発生によって正しい変位速度場が得られない可能性がある.そこで本論文では,この問題点を解決する手法として,応力の離散化を工夫した要素を提案する.提案手法によれば,アワグラスモードとロッキングを抑制することができ,極限荷重および対応する崩壊メカニズムを正しく計算することが可能となる.提案手法の検証のため,理論解が得られている剛塑性境界値問題を4つ取り上げ,数値解との比較を行った.その結果,理論解と数値解析結果は極限荷重と崩壊メカニズムの双方について良好な一致を示し,提案手法が有効であることを確認した.
  • 小国 健二, 堀 宗朗
    2011 年 67 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     鉄道・道路などで用いられる高架橋の多くは比較的単純な構造形式をもつ.これらの単純な構造形式をもつ高架橋脚を対象として,1)地震外力作用時の塑性化挙動検知のための復元力特性の利用,2)加速度計測データのみから復元力特性を得る手法と,3)無線センサネットワークによる構造物塑性化検知,を提案する.提案手法の特徴は,既設構造物の上端と下端に加速度計を一つずつ設置し,時刻同期を確保した加速度の時系列データのみを用いて復元力特性の代替物を得る点である.この手法では,強い地震外力に対する構造物応答を計測対象としているため,無線センサネットワークで用いられる安価なMEMS加速度計を用いても,構造物の復元力特性を得るために十分な精度の計測データが得られる.
  • 佐伯 昌之, 澤田 茉伊, 志波 由紀夫, 小國 健二
    2011 年 67 巻 1 号 p. 25-38
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     建設現場において,地盤などの変位をモニタリングすることは重要な作業であり,近年では,作業効率改善のために自動化が進められている.本研究では,その様な自動化の1つとして,安価な1周波GPS(Global Positioning System)と無線センサネットワークを結合した変位モニタリングシステムを開発した.この研究では,GPSによる変位計測の精度を維持しつつ,いかに低消費電力化を図るかということが重要となる.そのために,本システムの適用条件に特化したデータ圧縮手法や,搬送波位相の二重差の近似直線を用いた変位解析手法などの要素技術を開発した.さらにセンサノードからサーバに至るシステム全体を試作・実装して種々の実証試験を行い,正常に動作すること及び精度よく変位を計測できることを確認した.
  • 加藤 準治, RAMM Ekkehard, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史
    2011 年 67 巻 1 号 p. 39-53
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,繊維強化複合材料,特に繊維補強コンクリート(FRC)を用いた材料最適化手法を提案する.FRCは,通常の鉄筋コンクリートに比べ板厚を極めて薄くできるという優れた長所があるものの,力学的挙動が複雑で一旦損傷が起きると急激に耐荷力が低下するという問題がある.そのため,本研究はFRCの損傷後においても耐荷力を安定的に保持できるような構造に改善することを意図し,それを可能にする構造最適化手法の提案を行う.ここで提案する手法は,単一材料を対象にした一般的なトポロジー最適化の概念を複合材料に応用し,さらに構成材料の材料非線形性を考慮するものである.ここではいくつかの数値解析例を用いて,本手法が繊維複合材料の耐荷力を安定的に保持できる構造に改善することを確認した.
  • 加藤 準治, RAMM Ekkehard, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史
    2011 年 67 巻 1 号 p. 54-68
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     本研究は,繊維コンクリート(FRC)の繊維材の全体形状と位置を最適化する手法を提案するものである.FRCは,通常の鉄筋コンクリートに比べ板厚を極めて薄くできるという優れた長所があるものの,力学的挙動が複雑で一旦損傷が起きると急激に耐荷力が低下するという問題がある.そこで,本研究はFRCの損傷後においても耐荷力を安定的に最大限保持できるような構造に改善することを意図し,繊維材の全体形状と位置を最適化する手法を提案する.繊維材の幾何学的配置を最適化する従来の手法では有限要素レベルで繊維材の角度を定義するため,要素間で繊維が不連続となり,現実的な非線形材料挙動が評価できないのが問題である.本研究では,要素間で連続となる繊維材の表現方法を提案し,幾つかの数値解析実験により,本手法の妥当性を検証した.
  • 車谷 麻緒, 寺田 賢二郎, 京谷 孝史
    2011 年 67 巻 1 号 p. 69-81
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     一般化有限要素法のひとつであるX-FEM(eXtended Finite Element Method)では,エンリッチ要素により材料境界を要素内に導入することができるので,非均質な材料であっても定型メッシュのみでメッシュフリー的な解析が可能となる.しかし,波動伝搬解析への応用を考えた場合,エンリッチ要素における質量行列の集中化の方法と,それによる精度や時間刻み幅(微小時間Δt)への影響については,これまで検討されていない.本論文では,まず,1次元問題により,エンリッチ要素における質量行列の集中化に関する方法と,その解析精度および時間刻み幅について検討する.そして,通常の有限要素法とボクセル有限要素法との比較を通じて,非均質材料に対するX-FEMによるイメージベース波動伝搬解析の適用性・有効性について考察する.
  • 新保 泰輝, 矢富 盟祥
    2011 年 67 巻 1 号 p. 82-92
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     き裂を有する材料に対し,物体境界から圧縮荷重を作用させる場合,物質が弾性体であっても物体内の最終的な応力や変位は,一般に,き裂面に働く摩擦により,物体境界から作用する応力の最終状態によっては一意には決まらず,それらの履歴によって異なる解になる.しかし,圧縮荷重下の応力,変位の荷重履歴依存性を考慮した研究は著者らの知る限りにおいて存在しない.そこで,本論文では,き裂面の滑り,および固着を考慮した境界条件により,いくつかの異なる荷重履歴を与えた場合の,荷重履歴に依存する,極座標表示した具体的な線形異方弾性体の応力,変位の理論解,および応力拡大係数,き裂先端近傍の応力,変位の理論解を求めた.
  • 吉田 郁政
    2011 年 67 巻 1 号 p. 93-104
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/08/19
    ジャーナル フリー
     波動伝播から破壊現象までを一貫して解析できる地震応答解析手法としてMPS法に注目しその開発を行った.MPS法は波動方程式を粒子を用いて数値的に解く方法であるが,その定式化は結果的にDEMに極めて近いという特徴をもつ.DEMにおいて粒子の配置が破壊挙動に影響を与えることが知られており,同様のことがMPS法においても確認されたため乱数を用いて粒子をランダムに配置する方法について提案を行った.また,せん断,引張に関する破壊基準の導入,初期状態から大きく変形して新たに接触する粒子の扱い方についての提案を行った.落下や自重による崩壊解析,圧縮による破壊解析を行い,これら提案した定式化の有効性を確認した.
  • 福元 豊, 阪口 秀, 村上 章
    2011 年 67 巻 1 号 p. 105-112
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
     土木分野で扱う大規模な境界値問題を個別要素法(以下,DEM)で解析することを念頭に,より少ないパラメータで地盤特性を適切に表現できるシンプルなDEMモデルを提案した.具体的には,地盤材料の破壊基準である粘着力と内部摩擦角を表現するために,通常の円形粒子のDEMで用いられる粒子接触関係に粒子間ボンドモデルと転がり摩擦モデルにそれぞれ修正を加えたものを導入した.両モデルを導入する際に必要とする追加パラメータはそれぞれ1つだけである.これらのモデルを反映させたDEMを用いて一面せん断シミュレーションでのパラメトリックスタディを行い,地盤材料の粘着力と内部摩擦角に対して所望の値を適切に表現するためのモデルとパラメータ決定方法を与えた.
  • 渋谷 一, 香月 智, 大隅 久, 石川 信隆, 水山 高久
    2011 年 67 巻 1 号 p. 113-132
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/20
    ジャーナル フリー
     本研究は,流木捕捉工の捕捉効果を検討するため,個別要素法に流木を模した円柱形要素を導入することで,模型実験のシミュレーション解析を試みたものである.この際,流木捕捉進行に伴って上昇する水位や,その周辺に生起する水流の乱れの効果を考慮することによって,流木捕捉時の流木の複雑な動きや絡み合いを再現するよう工夫した.提案手法は事前実験で明らかにされた流木長および捕捉工間隔比の変化に伴う捕捉状況や捕捉率の変化を良好にシミュレートすることを示した.
  • 今瀬 達也, 前田 健一, 三宅 達夫, 鶴ヶ崎 和博, 澤田 豊, 角田 紘子
    2011 年 67 巻 1 号 p. 133-144
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/11/18
    ジャーナル フリー
     津波-地盤-海岸構造物の相互作用に着目した地盤の変形・破壊挙動を明らかにするために,遠心力載荷装置を用いた実験およびSPH法による解析を実施した.実験では津波流体力の再現,津波力を受ける地盤とケーソン式防波堤の変形挙動の可視化および地盤内間隙水圧の計測に成功した.その結果,透水性の高い捨石マウンドおよびその下部の海底地盤では津波の浸透流により動水勾配が高くなり局所的破壊が発生した.数値解析では,海岸構造物と変形しない多孔質体とした捨石マウンドや海底地盤を含む津波流動場の計算を可能にし,構造物に作用する津波の越流現象や波圧分布などを定量的に再現できることを示した.また,透水性の異なる捨石マウンドと海底地盤について検討し,動水勾配の計算結果から局所的な浸透破壊が発生し得ることを示した.
  • 山下 拓三, 堀 宗朗, 小国 健二, 岡澤 重信, 牧 剛史, 高橋 良和
    2011 年 67 巻 1 号 p. 145-154
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/20
    ジャーナル フリー
     本論文は,大規模な有限要素法解析のために,前川らによって提案されたコンクリートの非線形構成則を再定式化する.CG法に基づく高速ソルバが利用できるよう,全体剛性マトリクスの正定値性を保障することが主眼である.従来見逃されていた関係式を使うことで,非対称・非正定値の弾塑性テンソルの代わりに,対称・正定値の弾性テンソルと補正項を使う形式に構成則が再定式化された.また,計算負荷の高い4階のテンソルの逆テンソルの計算も不要とした.最も基本的な一軸圧縮に対し,再定式化された非線形構成則の収束性と,従来の構成則との等価性を数値計算によって検証した.再定式化された構成則に使われる対称テンソルの正定値性を実証し,剛性マトリクスの対称性と正定値性が保証されることを示した.
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