抄録
欧米で開発されたバラスト軌道の座屈変形解析ツールによる解析結果および過去に行われた実物バラスト軌道の座屈実験結果と筆者らが開発を進めている解析ツールによる解析結果の比較を行い,本解析ツールによる解析結果の妥当性を検証した.次に,ロングレール区間のバラスト軌道を対象として,道床横抵抗力,初期軌道変位,曲線半径等をパラメータとする座屈変形解析を行い,バラスト軌道の座屈を評価する上で重要な指標となる,最低座屈強さに相当する温度変化量と座屈発生温度変化量に及ぼす影響について検討を行った.そして,設定温度の範囲とレールの想定最高温度から定まる温度変化量35℃および20%の余裕を考慮した42℃の条件に対して,これらが最低座屈強さに相当する温度変化量となる最終道床横抵抗力を軌道の曲線半径に対して提示した.